さるのこしかけ

「ベートーベン「運命」のメロディとともに肛門を襲った強烈な痔を完治させた、驚きのドクダミ療法。台風直撃、さらに食中毒にも直撃された台湾旅行。そして、「ノー・プロブレム」な国民性に振り回された、初めてのインド……。日本中をわかせた、あの爆笑エッセイ第二弾が文庫になって帰ってきた!デビュー前夜の妄想炸裂な日々を熱く語り合う、文庫オリジナルの巻末お楽しみ対談つき。」

引用:さくらももこ 「さるのこしかけ」 集英社文庫 裏表紙より

ネタバレありです。ご注意ください。

今作は「もものかんづめ」に続くさくらももこさんのエッセイ第二弾です。「もものかんづめ」がめちゃくちゃおもしろくて、読後、さくらさんのエッセイを何冊か購入したんだけど、今回2冊目を読み終わって、やっぱりこの人の文章はおもしろいし読みやすいと思った。どんなエピソードでもそれをどのように伝えるかの描写が秀逸で、文章のおもしろさを感じられる。

あと、さくらさんの本を読んでいると、どんな時でも思考を停止させず、感受性豊かに物事を捉えたいと思う。

今作で印象深いのは何と言ってもインド旅行記だけど、最後には「インドなんて用なしだ」(意訳)ってなるくらい、怒りと呆れに満ちていた。でも、確かに大変そうだなぁと思うのに、それぞれのシチュエーションを想像すると笑いがこみ上げてくるので、やっぱりすごい。色濃いエピソードのなかでも、旅行会社の大麻さんが良いスパイスになっていて良かった(インドだけに)。

お姉ちゃんのお見合いエピソードも良かった。21、2なんて、今だと学生扱いの年齢なのに、当時はこんな行き遅れ寸前みたいな言われようされてたのか、とアラサー独身女の私は戦慄した。お姉ちゃんを説教するお母さんの言葉にさらに心を抉られるけど、お姉ちゃんが家の中で大暴れする様を思うと笑ってしまう。さくら家の中では子どもといえど、成人後の大の大人が、抵抗手段として大暴れを選ぶって、相当嫌だったんだろうな。いやでも、嫌だよね。恋愛して結婚したいよね。まぁお見合いでも恋愛はできますが。違うんだよね。お互い自然に出会って惹かれ合いたいんだよね。分かる。分かるよお姉ちゃん。

名前の分からない買い物回では、大瀧詠一さんのレコードが登場するんだけぢ、気になってyoutubeで調べたところ「君は天然色」がすっかり癖になり、私の2021年夏のテーマソングといっても過言ではないほど聞いた。

2021年まとめ記事にも書いたよ 「さらば二○二一

Thanks!
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