エンド・ゲーム

「『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。『遠目』『つむじ足』など特殊な能力をもつ常野一族の中でも最強といわれた父は、遠い昔に失踪した。そして今、母が倒れた。ひとり残された時子は、絶縁していた一族と接触する。親切な言葉をかける老婦人は味方なのか? 『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は? 緊迫感溢れる常野物語シリーズ第3弾。」

引用:恩田陸 「エンド・ゲーム」 集英社文庫 裏表紙より

ネタバレありです。ご注意ください。

今作は常野シリーズ第3弾であり、第1弾「光の帝国」に収録されている「オセロ・ゲーム」の長編版です。「オセロ・ゲーム」は特にお気に入りのエピソードだったので、「光の帝国」読了後、気になってすぐに購入しました。「オセロ・ゲーム」同様、胸の鼓動がドクドクと聞こえてきそうな緊迫感があり、ページをめくる手が止まらなかった。夢中になって1日で読み終えました。

洗濯屋/火浦

なんか中二心をくすぐるキャラクターだったな。ビジュアルイメージだけでいうとBLEACHの浦原喜助。飄々として掴みどころがないけど気になる人。飄々としたキャラクターといえば、馴れ馴れしいイメージ(例:スレイヤーズのゼロス)もあるけど、火浦は目に光がないぶっきらぼうな印象が強い。でも、関わると意外と笑ったり、よく喋ったり、必死になったりするところが人間臭くて好きだなと思う。最後も時子に惚れてるしね。最後、時子に婚約解消について聞かれた時の「どうして」もめっちゃ良かった!っくー!!きゅんきゅんするぜーーー!!!って私の中二スイッチが大爆発した。この「どうして」には「何言ってるんだ、婚約解消なんてするわけないだろ、一人にしないでくれ」の意味が込められてるんですよ!きっと!!それを火浦が自然とほぼ無意識に口にしているっていうのが萌える。やっぱりこの人好きだわ。

強い父/肇

私は完全に期待しすぎていた。あの瑛子が選んだ人なんだから、さぞ強くてかっこいい紳士なのだと思っていたのに、、、おかしい、、、肇が出てくるたびに、ちっ、なんだこいつ、って舌打ちが止まらない。二人を守るためという失踪理由も腑に落ちない。肇自身を説得したいがためのものにしか思えない。私の読解力不足もあり、今いち理解しきれてない部分もあるけど、失踪後、二人のことなんてすっかり忘れて、自分のやりたいことやって暮らしてたようにしか思えなかった。それが3人の存在意義を示すために必要な物語だったとしても、あまりに情けなくないだろうか。

あの常野一族の中でも最強って、噓でしょ。信じないわよ。例えば「光の帝国」の「黒い塔」で示唆されていた、これから起こるであろう大変な出来事がいざ勃発したとして、再び力を手にした(洗濯しきれていなかった)肇が大活躍!とかすれば見直してあげないこともない。

読んでる最中、この言葉遣いどういう意味だろうかと思ったものがあったのに、メモもせず印もつけず、該当箇所が行方不明になってしまったのが悔しい。ちゃんと読みながらメモつける習慣つけないとな。また読み返して思い出したらここに追記します。

常野シリーズはこれで終わりではないと思っているし、ぜひまたこの世界に浸りたいので、続編お待ちしてます。

Thanks!
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